オリジナルTシャツを作りたいけど作らない理由

最終更新日:2017/08/07 公開日: Webとお金, WEB関連

オリジナルTシャツを作りたい

自分だけのオリジナルグッズと言えばやっぱりTシャツ

モノを創る人なら誰でも「オリジナルグッズを作りたい」と考えることがあると思います。そして、オリジナルグッズで真っ先に候補に挙がるものの1つがTシャツではないでしょうか?

例えば、イラストを描く僕の場合、自分のイラストがプリントされたTシャツがあれば自分でも着てみたいと思いますし、街中ですれ違う人が僕のイラストのTシャツを着ていたりするなら、それはすごく嬉しいことなのです。

僕は長い間、複数のインディーズバンドの物販用のTシャツを沢山デザインしてきました。自分が手掛けたデザインTシャツをライブ会場に集まったファンのみんなが着ているのを見るのは、それはそれはとても気分が良いものでした。

というわけで、自分だけのオリジナルTシャツを作る方法などについて考えてみたいと思います。

オリジナルTシャツとコストの話

オリジナルTシャツを作るだけの話であればTシャツは他のグッズを作るのと比べると、ずっと簡単で低コストで作ることができます。

印刷物や型の必要なアクセサリーなどは、数千単位で製作しないと単価を安くできません。例えばストラップなどは街で売られているストラップと同じ値段で販売しようと思うと10,000個〜という世界です。

費用も当然高くなりますし、大量にと届けられても保管場所にも困ります。

もちろん、それを売り捌ければ何の問題も無いのですが、現実問題で販路も無いのにそれだけの数を売り捌くのは不可能でしょう。

しかしTシャツは少数でも作れますし値段の幅もピンキリなので売値がそこそこ高くても許されます。これがストラップなんかだと、どんなモノでも500円前後が市場価格になると思われるので少数だと非常に厳しくなります。

そうは言っても、Tシャツ屋さんにお願いすると、大抵の場合はシルク印刷のための版代が最初に掛かります。この版代が1色で1万円〜3万円程度になりますから、いくら少数から製作出来ると言っても、それで儲けを出そうと思うと数百枚単位で作らないと、なかなか採算の乗る金額にはなりません。

また、Tシャツを作ろうと思うと、いろいろデザインを考えますが、困ったことに良いデザインが沢山出来過ぎて、どのデザインにすべきか迷うことになります。

しかし、全てのデザインでTシャツを作ろうと思うと、それはそれで別の版代が必要となり費用も高くなってしまいますから、多くのデザインでTシャツを作るのは、やはり現実的ではありません。




オリジナルTシャツと言えばTシャツくん

少数製作で個人で楽しむならTシャツくん

少数しかTシャツは必要無い、でも安くオリジナルTシャツを作りたい、と考えて人にとって有り難いのは、Tシャツくんという、家庭用のTシャツ印刷キットの存在です。

家庭用と言ってもシルクスクリーン印刷なのでTシャツ屋さんに頼むのと同じような感じでプリント出来る本格的なキットです。

僕もオリジナルTシャツを作るためにTシャツくんを購入して、販売用のTシャツをプリントしていた時期がありました。

以外とお手軽に本格的なプリントが出来ますし、デザインを増やしたいと思った時も、版用のシルクスクリーンを買う必要がありますが、Tシャツ屋さんに注文することを考えれば、あまり費用を考えなくても構わず、かなりお気軽にオリジナルTシャツを作れます。

Tシャツくんは時間と労力が必要

しかし、家庭用はあくまで家庭用なので、手軽にオリジナルTシャツが作れる反面、業務用(販売用)で使うとなるといろいろと問題もあり、販売用のTシャツを作るのにTシャツくんを使うのはちょっとオススメできません。

と言うのも、Tシャツくんでの制作は、制作に費やす時間も労力も大変なものです。

上手にプリントするにはそれなりに熟練が必要で、販売に耐えうるような安定したクオリティを保つのは、非常に難しく、プリント失敗によるロスも多いです。

それでも多少のロスに目をつぶりながらTシャツ屋さんになるために必要な費用と思って作業を続けられる人は良いのですが、製作には思っていた以上に労力と時間が必要です。

しかも、作業はプリントするだけではありません。
プリントしたら乾燥させて、アイロン掛け、その後に袋詰めをするなど、たとえ個人レベルで小規模なTシャツ工場だとしても、「Tシャツ屋さんになる」という覚悟がなければ、Tシャツくんを使って販売用のTシャツを作ろうとするのは、色々と無理が生じてきます。

そんなこんなで、非常に非効率で失敗なども多くストレスが多いためTシャツくんでのTシャツ作成はすぐにやめてしまいました。

つまりは、僕はTシャツ屋さんになりたいわけではなく、Tシャツをデザインする人になりたいわけですから、デザインを考えることよりもTシャツをプリントすることの方に時間と労力を取られるというところに自家製作の限界を見たわけです。

しかしながら、Tシャツくんの名誉のために書かせてもらいますが、趣味として、自分自身のためや、知人等へのプレゼントのためにTシャツくんでオリジナルTシャツを作るには、非常に面白くて楽しめるオモチャだと思います。

Tシャツ屋さんでオリジナルTシャツを作る

たとえ少数でもTシャツ屋さんに注文した方が安定した品質で仕上げてくれる上に、アイロンがけや袋詰めまでしてくれます。労力と時間を考えれば自分で製造するよりもTシャツ屋さんにお願いした方が断然良いです。

Tシャツ屋さんに頼めば、品質面での安心感や、納品されたものをそのまま販売できるのというメリットがありますが、デザインをプリントするための版代が高いため、小ロットだと単価が高くなってしまうという金銭的な問題と向き合うことになります。

1枚からでも作成してくれるところが殆どですが、販売目的だと最低でも100枚単位で作らないと、原価が高くなりすぎて販売しづらくなってしまいます。

下地となるTシャツの種類によっても費用は変わりますが、目安としては100枚作って、単価が1,000円〜1,500円程度と思います。

しかも、版は1デザインまたは1色につき1版が基本です。
別のデザインを作りたい、色を増やしたいと思うと、別の版を作らなければいけません。

つまり、やりたいようにやろうと思うと、どんどん費用が高くなってしまうのです。

Tシャツを売るには考えなきゃいけないことがたくさん

いずれにせよ、Tシャツを作るところまでなら、手間や費用の問題はありますが、Tシャツくんを使ったり、Tシャツ屋さんにお願いするなりで簡単にできます。

しかし、本当の問題となるのは作ったTシャツを売るということなのです。

Tシャツはいろいろバリエーションが多い

Tシャツを作る場合、図柄のデザイン以外のことも考えなくてはいけません。

サイズ

キッズサイズ、レディースサイズ、S、M、L、LL、XLなど色々なサイズがあります。
同じデザインでも、サイズによって売れるものと、売れないものがでてきます。

どのサイズがどれだけ売れるかを見極めて、製造するTシャツの枚数を決める必要があるのです。

つまり、サイズの展開を間違うと、大失敗をしてしまうことになります。

カラー

ボディとなるTシャツ本体の色とプリントする色も考えなくてはいけません。

全色展開といきたいところですが、ボディの色を変えようと思うと、Tシャツの仕入れ単価も上がってしまいますし、Tシャツ屋さんにお願いするにしても手数料が必要になります。

当然、選択するボディの色によっても売れ行きが違ってきます。

プリントする色もDICカラーから好きな色を選べますが、使用する色によって売れ行きが変わってきます。

また、色を変えようと思うと、その度に版を綺麗にする必要があり、連続してプリントすることが出来ないため、ボディの色を変える以上に大変なので、Tシャツ屋さんでも最低枚数が決められていたり、Tシャツ本体の色を変えるよりも高い手数料が設定されていたりします。

Tシャツの型

一番簡単なのはTシャツ問屋さんで扱っているanvilやprintstarなどの有名メーカーのシャツを使うことです。

それらのメーカーのTシャツは、一般的に販売されているTシャツでも使われていたりするので、品質もある程度把握しやすく使用しやすいのですが、ボディの型デザインにバリエーションが無いことが問題になります。

Tシャツも定型はありますが、毎年少しずつシルエットが変わっています。
タイトなものが流行ったりルーズなものが流行ったりいろいろです。

ターゲットに合わせてしっかりとTシャツの型を検討しないと、それだけで全く見向きもされなくなる可能性もあります。

Tシャツを作る前は全く考えていませんでしたが、購入者は図柄とボディの型などを総合的に判断して買いますから、デザインだけ良ければ売れるというものではないのです。

Tシャツの品質

ド定番品でも品質はいろいろです。
原産国によっても品質や風合いが変わります。

安いボディで済ませると、一二回着ただけでダルダルになってしまって信用問題にもなります。かと言ってブティックで売っているような品質の良いものになると、当然単価は高くなるので、それなりの枚数を製造しないと単価がとても高くなってしまいます。

在庫の保管の問題

在庫の保管も大きな問題です。

売り物ですから劣化して色褪せなどすると売れなくなってしまいますから保管には気を配る必要があるのです。
劣化の他にも臭いや折りシワなども気にしなくてはいけません。

それらを考えると、自宅での保管はあまり望ましくないというのが理解出来ると思います。

いろいろ考えると作らない方が良いという結論になる

オリジナルTシャツを作るのは他のグッズに比べて敷居が低いにしても、イラストレーターの立場で考えると、全くの専門外のことが多過ぎるのです。

そうなると、Tシャツ屋さんになりたい人でなければ、おいそれと手を出さないのが無難ということになり、オリジナルTシャツを作るという野望はどこか遠くの彼方に消えてしまうのです。

しかし、オリジナルTシャツを自分で作ろうと思うということは、プリント業者を探したリ、Tシャツの品質や型のデザイン、色やサイズの展開を考えたり、販路を構築したりする必要があり、本来やりたいことであるはずのTシャツをデザインしたい、というところからは随分掛け離れた場所で時間と労力を使わないといけなくなるのです。

我々イラストレーターやデザイナーはあくまでTシャツをデザインする人であって、Tシャツを製造する人や販売するではないので職業が全く違うのですよね。そのあたりがTシャツを作ろうとする際の最も大きな問題となります。

それらを考えると、デザイン以外の仕事を引き受けてくれる誰かが現れるまで作らないのが良いなという結論になってしまうのです。

Tシャツ分野の新たなビジネスチャンス

先日、某オリジナルTシャツ販売サービスを行っている会社から会員登録のお誘いメールが届きました。

ノーリスクでTシャツ販売できるサービスがある

実は、その会社からは、ずっと以前にも一度お誘いをいただいていました。しかし、当時は、システムやクオリティの面で合致しない部分が多く、お断りをさせていただきました。

そして約6年の月日を経て再びお誘いいただいわけで、懐かしいなあと思いながらメールに目を通してみると、当時、販売を躊躇する原因だったTシャツの品質や販売システムなどが大幅に改善されていて、オリジナルTシャツ販売の事情が当時とは大きく変わっていることを知りました。

新しいサービスは、プリントのデザインを提供すれば、あとは製造、販売、発送などの面倒な作業の全てを代行してくれるというもので、Tシャツが売れれば、売上に応じたマージンが支払われるシステムになっています。

デザインを提供するだけで、オリジナルTシャツの販売が可能になるだけではなく、登録料も無料で、在庫を抱えなくて良く、1枚目が売れた時点で即収入になるということで、ノーリスクで開始できる、魅力的なサービスのように思えました。

オリジナルTシャツ販売の同業他社がいくつかありました

かなり条件の良いお話なので、少しばかり疑う気持ちもありました。
そこで調べてみると、同様のサービスを行なっている会社は既にいくつかあり、基本的にはどこも似たようなシステムでTシャツの制作と販売が行えるようになっていました。

大半がTシャツ印刷会社がオンラインショップで行なっている新しいビジネスサービスのようで、登録して販売している人の数も結構多いことから、それなりに盛況な様子が伺えました。

システムの条件的には以下のような感じです。

● 登録、出店、販売、維持費無料
● 価格の設定は販売者が自由に設定できる
● 基本価格(サービス提供会社マージン。本体、印刷代など)+自分の利益=販売価格として決定する
● デザインの複数登録可能
● Tシャツ以外への展開も可能(マグカップなど)

登録した商品は販売ポータルサイトに表示されるだけであく、自分のホームページで紹介して購入者してもらうこともでき、全てが自分のオリジナルグッズで構成された夢のショップを、ほとんどリスク無しで始めらるという、夢にまで見たワクワクなサービスのようにも思えます。

一昔前では考えられないような非常に嬉しいサービスだと思いました。

しかし、僕はここにも登録はしませんでした。




僕がTシャツを作らない理由

オリジナルTシャツ作成サービスのシステムや条件を見れば、すぐにでも参加してみたいくらいなのですが、以下のような理由で参オリジナルTシャツの販売を断念しました。

パロディが多い

パロディ作品が非常に多いです。
あまりに多過ぎて、どこまでがオリジナルか分からないくらい多いかもしれません。

パロディはオリジナルがあってこそのものだと思うので、オリジナル抜きにその作品を考えると、創作という点での評価ができず、個人的にはなかなか受け入れがたい分野です。

実際問題として、パロディは一般受けしますし、ネタとして成立しやすいですし、それなりに売れますから、この手のサービス、パロディ作品が溢れてしまうのは仕方ないですし、宿命だとも思います。

ただ個人的には、その中に自分のオリジナル作品を混ぜ込みたくない、という気持ちが強くあります。

Tシャツボディの型

ファッションの定番のTシャツと言っても、毎年少しずつ型が変わります。

しかしながら、オリジナルTシャツサービスで使われるTシャツの型は超定番がほとんど。

いわゆるブティックなどで販売されているTシャツとはシルエットが明らかに違うのです。

ほんとにド定番な型のものしかありません。
メンズはそれでも良いのですが、レディースで考えると、ド定番のシルエットTシャツでは厳しいと思われます。

売れないだろうなという思い

僕がオリジナルTシャツ作成サービスに登録しなかった最大の理由は、作ってみたところで「それほど売れないだろうな」と僕自身が思っているからです。

いや、ホームページやイベントで宣伝すれば、ちょろちょろは売れるとは思います。
じゃないとこのサービス自体が成り立たないでしょうし、成り立っているってことは、それなりに売れているからでしょう。

ただ、それはやはり見ず知らずの一見さんが買うのではなく、おそらく作者本人、あるいは作者の周りの人が買っているのが売り上げの殆どじゃないか。という気がしています。

個人が作ったオリジナルTシャツなんて何のブランド力も無いわけですから、宣伝しないで売れるわけはないのです。逆に考えると、売れるようなブランド力を既に持っている人は、このサービスを利用しなくても良いとも言えるでしょう。

魅力的なサービスなのは間違いない

とは言いつつも、オリジナルTシャツ作成サービスは我々モノを作る立場の人間から見れば、非常に魅力的なサービスだと思います。

ノーリスクですぐに商品化できて、あわよくばお金にもできる。

モノを作る人間にとっては、こんな素晴らしいサービスはないと思います。

僕自身はすぐにサービスを利用する予定はまだありませんが、将来的に何かちょっとしたモノを作りたいとか、サンプル的に少数作成する場合などは、利用価値はすごくあると思います。

オリジナルグッズとしてTシャツを作りたいけど作らないのまとめ

以上のような理由から、今現在で、僕自身がオリジナルのTシャツを作ることは無さそうです。

しかしながら、Tシャツ作成サービスをはじめとして、ほんの数年前と比べても大きく状況が変わっているので、今後も画期的なサービスが出て来ることも考えられます。

LINEのスタンプなども同様ですが、クリエーターが作ったものをお金に換えられるというサービスは我々の立場から考えれば非常に有り難く魅力的なサービスであることには間違いなく、デザイン分野だけでなく、多くの分野でこのようなサービスが増えてくれば良いなと感じています。

そして、新しいサービスが出てきた時は、いち早く飛び乗った方が断然有利になると思うので、この手のサービスには今後も注目しておいて、新しいチャンスに備えておきたいと思うのでした。

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