LINE Creators Marketで作成した、オリジナルのLINEスタンプを販売してみたけれど、あんまり売れないというお話です。
この記事の目次
LINE Creators MarketでオリジナルLINEスタンプの販売開始
LINEスタンプの審査申請してから、とても長い承認までの審査の間に、あちらこちらから入って来た情報は『既に販売になっているスタンプの上位の売り上げが一月に数百万』だとか、『登録されているスタンプの60%くらいが1万円以上の売上』などという、ホットな話題が非常に多かったですね。
話題作りの一環もあるのでしょうが、LINE Creators Marketがスタートした当初の2014年4月〜6月くらいの間は、ワクワクするような話題が多かったように思います。
実際に初期組はかなり景気良く売れたようです
サービスが本格的に稼働しはじめて2ヶ月ほどの頃、2014年の5月、6月に売り上げたスタンプの分配金の金額をを公開している人もいて、ざっと調べた範囲では、月に十数万円以上の報酬を得られた方も結構いらっしゃいました。ニュースになったスタンプなどは、百万円単位の売上があったそうで、かなり景気の良いお話でした。
ただし、ニュースで取り上げられたような景気の良い売上は、スタンプ数が少なかった頃(500程度)から販売されている方々の数字なので、今のようにスタンプがやたらと増えてしまった現状とは全く条件が違います。
今にして思えば、初期組はそれなりに名前を聞いたことのある方もチラホラと居たりして、純粋な先着順の審査ではなく、スタートアップの火付け役としてしっかりと最初から組み込まれていたようにも思いますね。マーケティングとしてそのようなことは当たり前にやるでしょうし。
2014年7月頃の僕のLINEクリエイターズスタンプ販売一週間の売り上げ
そんなわけで、景気の良い売上を期待してリリースした僕のスタンプでしたが、ドキドキとワクワクの売り上げ結果は・・・
2014.07.16 ¥200
2014.07.15 ¥247
2014.07.14 ¥308
2014.07.13 ¥868
2014.07.12 ¥284
2014.07.11 ¥161
(^^;)
現実はこんなものですね。非常にリアルな数字だったので、ある意味安心しました。
しかもこの売上のうち、数十人分は僕の知り合いが購入したもの、特に2014.7/13の868円は。かなり身内の協力あっての数字ですね。
この後、twitterなどで宣伝も少ししてみましたが、このスタンプの売上が爆発することもなく、緩やかに下降して、発売から一ヶ月程度で、ほぼ売上ゼロに。
しかし、何より驚きなのは、この数字でも2,000位〜3,000位前後だったということ。当時で既に10,000種類くらいはありましたから、売上のほとんどは上位スタンプが独占するという完全なピラミッド状態ですね。
2015年1月現在では、月に数個といったレベルで、逆に「どうやってこのスタンプを見つけたんだろう?」と不思議に思うくらいの売上です。
僕のLINEスタンプが売れなかった理由
LINEスタンプが売れなくても、それが本業というわけではないので、笑い話として「売れなかったねえ」「センスが無かったねえ」で済ませることもできますが、せっかくなので、自分なりに、僕のLINEクリエーターズスタンプが売れなかった理由を考えてみることにしました。
普通のLINEスタンプでは売れない
普通です。普通過ぎるスタンプです。モチーフが全スタンプの中でも最も競争率の高いと思われる猫ですし、可愛いだけのスタンプなら山ほどあります。使用する面白みもありません。
ノーコンセプトなLINEスタンプでは売れない
全くもってノーコンセプトです。強いて言うなら「日常使えるスタンプ」程度しか考えていません。何か明確なコンセプト(季節やイベントやシチュエーション)に特化したスタンプの方が良かったのかなと思います。
誰も知らないLINEスタンプでは売れない
LINEのスタンプが販売されていることを誰も知りません。宣伝は販売開始当初にtwitterで告知した程度で後はfacebookでの告知とホームページにバナーを載せたくらいでしょうか。
twitterのフォロワー数も多いわけではないですし、多くの人に知ってもらえるようなメディアも持っていないので、僕が出した告知を確認した人の数は全然多くありません。実際問題で「身内に報告した程度」の告知です。
世の中のほぼ全ての人が、僕のスタンプのことを知らないのですから購入する人は偶然に見つけた人くらいになるので、爆発的に購入されるはずもありません。
台詞無しのLINEスタンプでは売れない
台詞をスタンプに入れるかどうかを悩んだんですが、イラストだけで表現したかったのと、海外での販売も考えたので「日本語があると邪魔だという判断」で台詞無しのスタンプにしてみました。
もちろん台詞が無くても売れているスタンプも沢山あるにはありますが「スタンプはLINEのコミュニケーションで使うもの」それを考えると、やっぱり台詞は有った方が使いやすいのは間違いないと思います。
マーケティングしていないLINEスタンプでは売れない
そもそもですが、僕自身がLINEをやってないのです。LINEがのことをLINEクリエイターズスタンプで知ったと言っても過言ではないくらいLINEのことを知りませんでした。
なので、LINEがどんな風に使われているのかを、僕自身がよく理解していません。つまりは、どんなスタンプが求められているか、どんなスタンプが使いやすいかのマーケティングがゼロなわけです。
マーケティングをせずに「可愛い猫描いた!」だけじゃ売れるはずがありません。
LINEスタンプのサービスが開始され、時間の経過とともに、売れているスタンプを模倣したようなスタンプが沢山登場し、それらもまた上位に入ってきたりすることを考えると、マーケティングというものは非常に大切だということが解ります。
僕のLINEクリエイターズスタンプが売れなかった理由まとめ
ランキング上位のスタンプを見てると、有名企業やタレントのスタンプを除けば、まぁ妥当というか、LINEで使いやすいスタンプ、LINEで使うと楽しそうなスタンプが多いですよね。
それを考えると、僕の制作したスタンプは「LINEのためのスタンプ」ではなくて「僕の作品」スタンプなのです。
つまり、LINEで使えはするけれど、LINEユーザーのために作られたスタンプというわけではありません。なので、この売上も当然の結果なのだと思います。
LINEで売りたければ「LINEのためにスタンプを作成」しなきゃいけないというのは当たり前のお話。売れているスタンプの絵柄や内容を模倣したりするのも、LINEユーザーのためのスタンプを作成することでしょうし、工夫と言えば工夫なのです。売る為にはそういった工夫をする必要が少なからずあると思います。
LINEクリエイターズスタンプの現状
宣伝媒体を持っていないと厳しい
サービス開始初期の頃は、ニュース等でもとりあげられて話題性もあり、登録されているスタンプも少なくて、ほとんどスタンプが結構な売上になったようですが、今現在ではスタンプの総数も数万種類になりましたし、日々リリースされる新作の数も多くなってきました。
なので「売れるスタンプを狙って作る」というのは非常に難しいことだと思います。
LINEのスタンプに限らずのお話になってしまいますが、結局のところ、宣伝などで露出が多い人ほど有利で、twitterのフォロワー数が多いとか、人気サイトを運営しているとかで、既に宣伝媒体を持っているような有名な人が圧倒的に有利ですよね。実際問題で売れているスタンプの制作者にそういった、既に宣伝媒体を持っている人たちが散見できます。
そういう条件を最初から持っていない限り、数多くのスタンプの中から自分のスタンプを多くの人たちに見つけてもらい、購入してもらうというのは非常に難しいのではないかと思います。
つまり、売れそうなスタンプを作ったところで、宣伝媒体を併せ持っていないと、なかなか売れないという厳しい状態になっていると言えるでしょう。
しかし、音楽などでもよく有る現象として、特にメジャーレーベルに所属しているわけでも、コネがあるわけでもなくても、地道にファンを増やし、何かのタイミングでポン!とブレイクするような人たちも居ないわけではありません。このあたりの可能性に賭けてみたいというのは当然ありますが、既に博打的、運任せの様にも思います。
ほとんどのスタンプが売れていない
ランキングの100位以内に入れるようなスタンプは、今でもそれなりに景気の良い売上なのでしょうが、2000位前後で日に数百円の売上です。
恐らくですが、5,000位以下のスタンプだと、ほぼ売上ゼロ、というような状態ではないかと思われます。お金を稼ぎたいだけなら、スタンプを製作するよりも他の事をしたほうがよっぽど稼げます。
LINEスタンプが売れないのまとめ
審査が遅いとか、審査方法の基準が曖昧とか、不公平感があるとか、まぁいろいろな不平不満の意見も見られるLINEクリエイターズスタンプですが、こうやって作成したものを販売して、作品の対価としてお金をいただけるというサービスが、世の中にあまりないので、なんだかんだ言っても非常に有り難いサービスだと思います。
グッズを作ったりする物販などと比べれば、遥かにリスクが無くて、簡単に販売できてお金に換えられのですから、素晴らしいサービとしか言いようがありませんし、夢が一杯のサービスだとも思います。
今後、僕が新しいスタンプを製作することは恐らく無いでしょうが、いろいろ楽しませてもらったLINEクリエーターズスタンプでした。
その後、LINEに登録して使うようになり、半年ほどROMった後に新しいLINEクリエーターズスタンプを作ったという記事「LINEクリエーターズスタンプを半年ROMった後に作ってみた結果」も併せて読んでみると面白いかもしれません。
ま、結局売れてないんですけどね(笑)