3歳半の息子が通う保育園から電話がかかって来た。
「便に血が混じっているので病院で診てもらった方が良いので迎えに来てください」との事。
とり急ぎ、子供を保育園に迎えに行って、小児科へ。
子供の様子は元気がないとかではなく、いつも通りの感じではあるものの、その日の夜の便にも血が混じっていたので、不安なこともあり、検査の結果がでるまでの間で子供の血便についての情報を収集してみました。
子供の便に血が混じるまでの経緯
● 土曜日
通常通り。やや風邪気味で鼻水。元気。食欲普通。
● 日曜日
通常通り。やや風邪気味で鼻水。元気。食欲有り。朝から一日下痢。
● 月曜日
通常通り。元気。平熱。下痢便。
● 火曜日
通常通り。元気。平熱。朝の便は軟便。
昼間の保育園での便で血便。
夜の便でも血便。便は軟便。
血便の状態
血便には状態が3種類ほどあって、状態からどの辺りからの出血かをある程度絞り込めるとのこと。
目で見てすぐ血液と分る血便
肛門近くからの出血が考えられる。
粘っこいピンクの血便(粘血便)
大腸からの出血が考えられ、腸重積や食中毒(細菌性腸炎)などで起こる。
息子の血便を見た具合では、粘血便に該当しそうです。見た目は、便の中にイチゴジャムが混ざったような状態です。
黒くなった血便(黒色便)
胃や腸などの広い範囲の消化管からの出血が考えられる。
血便の時の病院へのかかり方
血便の付いたオムツを捨てないで持参する
オムツのままで良いので血便を持参すると血便の様子をお医者さんが直接確認ができるため状態が把握しやすくなる。
上記の「血便の状態」を素人判断でしてしまうのは誤診の元にもなりかねないので思い込みに注意。
血便が出たらなるべく早めに受診する
血便の原因となる病気には、早期発見が必要なもの(腸重積)もあるため、出血が認められた場合は、早めに小児科などで受診するべし。
幼児の血便
乳児と幼児とでは、血便の理由が異なる場合がある。
幼児の血便の主な原因
● 食中毒による出血性大腸炎
● 腸重積
● 炎症性腸炎:潰瘍性大腸炎、クローン病などとも呼ばれる。子供では稀。
● 血管性紫斑病:アレルギー性紫斑病などとも呼ばれる。がんこな腹痛と関節痛、手足の内出血。
● 痔、裂肛
● 大腸ポリープ
腸重積
幼児の血便で要注意なのは腸重積と呼ばれる病気で、乳幼児の腹部の病気で診断が遅れると手術が必要になるとのこと。早期の発見の場合は症状が軽くて済む。
2歳以下(生後3~12ヶ月が多い)の太った乳児に起こりやすい傾向がある。
腸重積の症状
腹痛、おう吐、粘血便(イチゴジャム状)
さっきまで元気に遊んでいたお子さんが突然激しく泣き、吐き、ぐったり、という症状を10~15分おきくらいに繰り返し(間欠的あるいは陣痛のような腹痛)はじめたらまず本症を考えます。
浣腸をして古いトマトケッチャプの様な血便が出たら診断は確定的です。“突然の発症”診断上の重要な点で、たとえばお母さんが“2時5分ころ”にお子さんが急に激しく泣き出した、というふうに発症時間をはっきり覚えていることもあります。
(今治市医師会)
血便と卵
血便と食べた物との関係もあるようです。
幼児期以降の血便の原因として、最も多いのは「感染性腸炎」です。
発熱、下痢や嘔吐、腹痛を伴って鮮血便が見られることが多いです。原因菌としては、キャンピロバクター菌(鶏肉、バーベキュー)やサルモネラ菌(食肉、卵、マヨネーズ、犬・猫・ミドリガメとの接触)、病原性大腸菌(牛肉)が三大起炎菌と言われます。
国立成育医療研究センター
心当たりとして、生卵を子供が食べてしまったこと。そこから下痢が始まっていることを考えるとタイミング的にも当てはまります。
サルモネラ菌の主感染源として生卵が代表的で、食中毒によって死亡する可能性もあるため、抵抗力の弱い子供や老人は生卵を避ける必要があるとのこと。
環境生活部生活衛生課はサルモネラ菌の主感染源となる鶏肉や卵について、(1)冷蔵庫での保存と消費期限内の摂取(2)抵抗力の弱い子どもや高齢者は特に鶏肉や卵の生食を避け、十分に加熱する―など注意を喚起している。
サルモネラ菌の潜伏期間は6~48時間と幅がある。主症状は悪寒、嘔吐に始まり、腹痛や下痢を起こす。約5日で改善するが、敗血症や血便など重症に至ることも多い。
食中毒 8歳男児死亡 生卵原因か(琉球新報)
サルモネラ菌による食中毒の症状
悪心および嘔吐。へそ周辺の腹痛、下痢の持続、水便、38℃前後の発熱、血便などの重い症状を示すこともある。
1日から4日ほど続く。
サルモネラ菌による食中毒の対応
病院への受診とともに、脱水症状を防ぐ為に水分の補給。
食事は消化に良いものを中心にして、無理に食べる必要は無い。
血便についてのメモ
生卵からのサルモネラ菌が原因で死亡の記事等読むと、かなりゾッとしてしまうのですが、とりあえず、代表的な症状である嘔吐や発熱などは僕の子供には見られませんでした。
が、心当たりがあるのは、この点なので、腸重積とサルモネラ菌については、症状等をしっかりと意識しながら様子をみる必要があると感じました。
その後
翌日の便にもイチゴジャム状の血便が混じっていて心配だったものの、当の本人は特に苦しそうな様子もなくいつも通りな感じです。
翌々日からの便は、やや柔らかめなものの、通常通りの便で、その後は特に異常無しで、検査結果が出るまでの約一週間の間、様子を見続けました
検査結果
血便のついたオムツを病院へ持参しての健診から1週間後に結果が出ました。
検査結果は特に異常無し。ということ。
つまり、個人的に、ほぼ確定だろうと思っていたサルモネラ菌は検出されませんでした。何らかの体調不良が原因で出血してしまったものと思われるそうです。このように特に原因が分からないこともあるのですね。
息子の場合は、特に痛みを訴えたり、他の症状もなかったので、今後は一応様子を見ていく感じです。
こんな時にはネットの情報よりも信頼できる家庭の医学なんかがあると情報に振り回されずに安心できます。
参考サイト
参考 → 町医者の「家庭の医学」(みやけ内科・循環器科)
参考 → 腸重積症(広島県医師会)