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epsファイルをPhotoshop以外のアプリで開くと色が違って見える件

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写真データをクライアントさんに納品する際には、色形式はRGB、保存形式はjpgかtiffで納品することが多いです。

また、印刷用途の場合やデザイナーさんに受け渡す際には、その後の使いやすさもあって、色形式はCMYK、保存形式をepsにして納品することもあります。

そんなある日、CMYKのeps形式でデータを納品したクライアントさんから「色が変だ」とクレームをいただいたので、その問題と原因についてメモしておきます。

CMYK/epsで作成したデータの色が全然違うというクレーム

とあるクライアントさんにデータをCMYK/epsで納品した時のこと。納品したデータを確認したクライアントさんから「色が変だから確認してほしい」というクレームがありました。

RGBからCMYKに変換すると色が変わる問題ではない

ご存知とは思いますが、RGBのデータをCMYKに変換すると、ほとんどの場合で彩度が落ちてややくすんだ色味になります。これは今さら説明することではないと思いますが、色の表現方法が光を基本としているのか、インクを基本としているのかの違いによるものです。

画像を扱う担当の人がこのあたりの事情にあまり詳しくない人だったりすると「色が違って見える」という同様の質問をいただくことも多く、僕はいつものように「RGBからCMYKに変換しているから多少の色の見え方の差異は仕方ない」と説明しました。

しかし、クライアントさんが言うには「そういう初歩的な問題ではなく実物と比べて明らかに色がおかしい」とのこと。「そんなはずはない・・・」と思いつつも、納品した画像をPhotoshopで開いてみて確認してみました。

参考:RGBとCMYKで色の差

RGBとCMYKで色の差

RGBとCMYKで色の差は出ます、CMYKで色がくすんでしまうのは前述したように仕方がないことです。上記の画像を見るとRGBとCMYKで色は異なって見えますが、それほど不自然ではなく許容範囲だと思います。

色がおかしいのはCMYK/epsの画像

クライアントさんにはどちらでも好きな画像を使えるように、RGB/tifの画像とCMYK/epsの画像を納品していました。

今回クライアントさんが「色がおかしい」と言っているのはCMYK/epsの画像のみでRGB/tifについては特に問題はないとのこと。どうやらヒントはこのあたりに有りそうです。

手持ちのCMYKの画像の色比較

上記の画像はクライアントさんから送られて来たCMYK画像と、僕の手元にあるオリジナルのCMYKの画像の比較です。確かに、クライアントさんから送られて来た写真の色は赤がくすんだように見えます・・・。

どうしてこんなに色が違うのか、全く原因が分かりません。

Macintoshの「プレビュー」アプリで表示すると色がおかしい

画像を確認するために該当するファイルを選択しダブルクリックして開こうとしました。この時にPhotoshopで開くのが面倒だったので、Macintoshの画像表示アプリの「プレビュー」で開いてみました。

すると・・・

あれ?
Photoshopで見るのと色が違う・・・

Macintoshの「プレビュー」アプリで表示すると色がおかしい

Macintoshの画像表示アプリ「プレビュー」で表示すると、クライアントさんから送られてきたような、くすんだ色味になってしまいました。

確かにこれはまずい。クレームにもなる。というわけで、原因を探し始めます。

epsの保存設定を疑う

RGB/tiffの画像には問題がなく、CMYK/epsのみ問題が発生していたので、問題は保存形式に依るものじゃないかと推測しました。

epsの保存設定にはいくつかのオプション項目があるので、まずはそのあたりの設定の違いによる画像の変化を確認しつつ原因を探ってみようと思ったのでした。

epsの保存設定

通常のeps保存設定です。
基本的には全てチェックを外しています。

犯人はポストスクリプトカラーマネジメント

epsの保存時のオプション項目に、一つずつチェックを入れて保存してみた結果「ポストスクリプトカラーマネジメント」にチェックを入れて保存すると、プレビューで見ても、色が正しく表示されるということが判りました。

ポストスクリプトカラーマネジメント

ポストスクリプトカラーマネジメントとは?

ポストスクリプトカラーマネジメントとは、カラーマネージメントを出力先の機器のカラースペースで行うための機能で、出力先のカラー環境に合わせたカラーマネジメントをしてくれます。

ただし、機器によっては正しく動作しなかったり、postscriptに対応していないと動作しなかったりすることがあるようです。

また、動作しなくても良い場面で動作してしまったり、意図せず色が変わってしまうなどのトラブルの原因にもなることがあり、多くの印刷所では入稿データに関して「必ずポストスクリプトカラーマネジメントのチェックを外す」ように指示をしていたりします。

原因を追及してみる

状況の整理

● ポストスクリプトカラーマネジメントのチェックを入れた画像は色が綺麗
● ポストスクリプトカラーマネジメントのチェックを外した画像は色が変

ポストスクリプトカラーマネジメント

状況から考えると、チェック有りのものが色が正しくみえるというのは、カラーマネジメントが効いているからなのでしょう。

逆に、チェックが無いものの色がおかしいのは、カラーマネジメントが効いていないからだと考えられます。

納品したデータは、ポストスクリプトカラーマネジメントのチェックを外した設定のものなので、カラーマネジメントがおこなわれないために、色が変になってしまっているようです。

ということは、ポストスクリプトカラーマネジメントにチェックを入れて納品すれば問題解決!となりそうなのですが、前述したように、ポストスクリプトカラーマネジメントにチェックが入っていると、印刷時に不具合の原因になってしまうためチェックは外しておくべきなのです。

2つの画像をPhotohopで開いてみる

とりあえず、どれだけ色が違うのかを見比べるためにPhotoshopで2つの画像を開いてみました。

すると・・・

Photohopで色確認

2つの画像を並べてみました。違いがわかるでしょうか・・・?

正解は、どちらも同じ色なのです。つまり、全く同じ画像

Photoshop以外で開くと色が違って見える

どうやらPhotohop以外のプレビューアプリなどで開いた場合に色に違いが出るようです。

クライアントさんに確認したところ、やはりPhotoshopではなくプレビューアプリを使って確認していたことがわかりました。

クライアントに事情を伝え、納得してもらって、ひとまず問題を解決できました。

まとめ

今後も同様の問題は出てきそうなので、今後はクライアントさん側での画像の確認はPhotoshopでおこなってもらうことになりました。

もう少し調べてみたところ、プレビューアプリで色が変だったとしても、実際に印刷で出力される色はPhotoshopで開いた時の色で出力されるとのこと。

なので、間違ってプレビューアプリで正しく見えるように無理矢理補正しようとすると、出力してからビックリ!ということにもなりかねないので注意が必要です。

無駄な事故を防ぐためにもPhotoshopで扱った画像の確認はPhotoshopでおこなう、というのを徹底したいですね。


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